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離婚と不倫慰謝料|離婚しない場合、する場合の慰謝料相場と請求先

「離婚と不倫慰謝料|離婚しない場合、する場合の慰謝料相場と請求先」

夫や妻の不倫は、離婚原因として多い理由の1つです。

実際に不倫慰謝料を請求する場合、離婚を前提に考える方は多いのではないでしょうか?

 

また、「離婚しないと慰謝料も請求できない」とも考えがちです。そして、離婚を決断した場合でも、「離婚した後は請求できないのではないか?」と不安になる方も多いでしょう。

結論からいって、実はどちらも請求可能です。

 

今回は、不倫で離婚しない場合・離婚する場合の慰謝料について、詳しくご説明します。

1.不倫慰謝料請求の基本

不倫慰謝料請求は、法律上は民放709条の不法行為に基づく損害賠償請求として考えられています。

不法行為とは、他人に対し故意または過失によって精神的・肉体的被害を加えることを指し、不倫慰謝料請求の場合は、不倫行為が不法行為として認識されます。

 

また、不貞行為とは、配偶者以外の異性と性的関係(肉体関係)を持つことです。婚姻後は、配偶者以外とは性的関係を持ってはいけないという貞操義務に反する行為として、民法上離婚原因の1つとしても規定されています。

そして、不貞行為があると配偶者との関係が悪化し、円満な婚姻関係を破壊する原因となることや、配偶者が精神的にショックを受けることが損害として考えられ、709条に基づく慰謝料請求が認められています。

 

すべての不倫慰謝料の平均的な相場は、50万円〜300万円程度が一般的です。

もっとも、不倫慰謝料の実際の額は、婚姻期間、子どもの有無、不倫前の夫婦の仲、不倫の期間・回数、経済的状況、不倫が原因で離婚をしたかどうかなど、さまざまな状況を総合的に判断して決めるため、個々のケースによって大きく金額に差がでます。

参考までに、裁判所の調査によると、平成10年の調停離婚による慰謝料は、婚姻5年未満は200万円、5~10年未満で300万円、10年以上で420万円が平均との統計があります。

 

ちなみに、肉体関係がなかったというようなケースや、不倫より数年前から別居していたケース、同居中でも夫婦仲が極度に悪化しているケースでは、「不貞行為によって円満な婚姻共同生活が侵害された」といえないため、慰謝料の請求できません。

2.離婚しない場合の慰謝料

先程申し上げた通り、不倫慰謝料の金額は個々のケースで違いがあります。そして、慰謝料金額を定める要素の一つに「不倫が原因で離婚をしたかどうか」というものがあります。

そこで、次に、不倫で離婚しない場合の不倫慰謝料についてご説明します。

 

(1) 離婚しなくても慰謝料は請求できる

不倫で悩まれている配偶者の方から、離婚しないと慰謝料請求はできないの?とご相談を受けることがしばしばあります。

これに関しては、離婚しなくても請求自体は可能といえます。というのも、不貞行為があった事実や、それによって配偶者が傷ついたという事実は変わらないからです。

 

不倫慰謝料の請求相手は、不倫をした配偶者、不倫相手の両方に請求可能です。

片方のみに対して行うことも可能ですので、婚姻生活を続けることを前提とする場合は、基本的に不倫相手のみに請求します。

 

もっとも、不倫相手のみに請求する場合は、注意も必要です。

不倫の責任は、不倫した配偶者と不倫相手の両方にあります。そのため、不倫相手が慰謝料を支払った後に、不倫した配偶者に対して半分支払えと「求償権」を主張してくる可能性があります。

また、ダブル不倫であった場合には、相手の配偶者からも請求される可能性もあります。

このようなケースでは、弁護士を介した上でじっくり話しあい、解決策を見出す方が良いでしょう。

 

(2) 離婚しない場合の不倫慰謝料相場

50万円〜150万円程度

不貞行為はあったものの、離婚はしないと決断する夫婦も数多くいらっしゃいます。

先述の通り、離婚せずとも慰謝料請求自体は可能ですが、「不貞行為によって婚姻関係が破綻した」ケースとはならないため、慰謝料額は相場より低くなる傾向にあります。

具体的には、50〜150万円程度が相場といえるでしょう。

もっとも、不倫慰謝料の額を判断する場合、考慮される事情はさまざまです。離婚したかどうか以外にも、増額されるような事情があればこれ以上の額になることはあります。

【妻から不倫相手の女性に対する請求の判例】

ケース1 名古屋地裁平成3年8月9日 認容額100万円
夫が不貞行為を行い、不倫関係は2年、この間も夫婦は同居を続けていたケース。

ケース2 東京地裁平成4年12月10日 認容額50万円
夫が職場の部下の女性と不倫。夫婦関係は後に修復。

ケース3 長野地方裁平成23年 12月13日認容額150万円
夫がネットで知り合った女性と不倫。不倫相手が出産。

このように、離婚せずとも不倫慰謝料請求が認められたケースはいくつもありますが、実際上は裁判までいかず交渉で合意に至ることが多くなっています。

交渉の場合は、これよりも増額されるケースも少なくありません。

3.離婚する場合の不倫慰謝料

次に、離婚する場合の不倫慰謝料についてです。

ちなみに、不倫慰謝料は離婚後でも請求できます。まずはこの点について解説します。

 

(1) 離婚後でも不倫慰謝料は請求できる理由

不倫慰謝料は離婚時に請求するのが一般的です。もっとも、離婚後に事情が変わり、不倫慰謝料を請求したいと考える方もいらっしゃいます。

結論からいって、離婚後でも不倫慰謝料は請求可能です。

請求せずに離婚したとしても、不貞行為の事実があったことはかわらず、配偶者の傷ついた心も同じであるため、民法上も離婚で不倫慰謝料の請求権がなくなるとは規定されていません。

 

もっとも、いつまでも請求できるわけではありません。日本民法では、請求権には時効が定められおり、不貞行為に関する慰謝料請求の場合は、不倫行為から20年、関係があったと知ったときから3年で時効となります(民法724条)。

不貞行為があったことを知ったときについては、相手の名前や住所などを知った時から起算します。

 

このように、離婚後でも慰謝料請求は可能ですが、時効(・除斥期間)には注意が必要です。不倫に気付いたらできるだけ早めに対処するようにしましょう。

 

(2) 離婚後に請求する場合の不倫慰謝料相場

100万円〜400万円程度

離婚から時間が経過しており、当時の証拠などがなくなっている場合は、不貞行為の事実自体を証明することが難しくなりますので、この場合は請求額に影響が出る可能性があります。

【不倫で離婚した配偶者・不倫相手に対する請求の判例】

ケース1 東京高裁平成10年12月21日 認容額220万円
夫が不倫。婚姻生活40年のうち30年が不倫期間。夫と不倫相手が同棲、不倫相手が再婚した妻として振舞う。妻から不倫相手の女性に対する請求。

ケース2 平成21年1月26日 認容額500万円
妻が母親の主治医と不倫。不倫相手の子を夫の子として出産。協議離婚が成立。夫から妻に対する請求。

4.不倫慰謝料の請求は弁護士にご相談を

不倫に気付いたとき、離婚の2文字は誰しも頭に浮かぶことと思います。お子さんがいらっしゃる場合や婚姻生活が長い場合、相手に気持ちが残っている場合は、すぐに決断できなくて当然です。

お金では心の傷は癒えませんが、一つの解決策としての慰謝料請求をご検討ください。

また、離婚を考える場合は、離婚後の生活に不安がある方も多いでしょう。より適正な金額の慰謝料をしっかりと受け取るためにも、専門家である弁護士にご相談ください。

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