示談

不倫慰謝料を請求する際に示談書に盛り込むべき内容とは?

不倫慰謝料を請求する際に示談書に盛り込むべき内容とは?

当事者間で不倫慰謝料の支払に関する話がまとまったら、後は示談書の作成です。とはいえ、「示談書ってどうやって作成すればいいの?」「どんなことを書けばいいの?」という方もいらっしゃると思われます。

そこで、今回は、示談書を作成する際にどういった内容を盛り込むべきなのかについて解説いたします。

1.示談書とは

不倫の「示談書」とは、配偶者に不倫をされた人と不倫をした人(不倫をした配偶者や不倫相手)が不倫問題を解決するために話し合いで決めた内容を書面にしたものです。

「示談書」というタイトルではなく、「和解書」とか「合意書」といったタイトルで作成することもあります。重要なのはどのような内容の合意をしたのかという点ですので、タイトルはどのようなものでも差し支えはなく、効力に違いもありません。

なお、「示談」というのは、正式な法律用語ではありません。和解については、民法に規定があり「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。」とされています(民法695条)。

「示談」という用語を使う場合も、通常は上記の和解の意味で使われています。

2.示談書は作成すべき?

不倫問題の解決にあたっては、示談書は必ず作成すべきと言われています。では、なぜ示談書を作成すべきなのでしょうか。

(1) 口約束でも示談は成立する

そもそも当事者間で不倫問題を解決するための話し合いがまとまったら、書面を作成しなくても示談は成立します。つまり、口約束でも示談は成立するということです。

(2) 口約束だと示談をした証拠が残らない

ですが、口約束ですと、話し合って決めた内容が目に見える形に残りません。

もしかりに、不貞行為を認めて「慰謝料を払う」と言っていた相手が、後になって気が変わって「やっぱり払いません」と言い出したとして、「あの時払うと言ったじゃないか!」と言っても、「そんなことを言った覚えはない」と言われてしまえば、証拠が残っていないのでそれまでです。払ってもらうためには、また最初から話し合いをやり直したり、裁判をしたりしなければなりません。

ですから、不倫慰謝料を支払う約束をしたのであれば、それをきちんと目に見える形に残しておく必要があると言えます。

(3) きちんと払ってもらえない可能性も・・・

口約束の場合、内容自体が曖昧になりがちです。たとえば、慰謝料をいくら支払うということは決めても、いつまでに、どういった方法で支払うのか、振込みの場合手数料はどちらが負担するのかといった点を詰めないままになってしまうことが考えられます。「いつまでに支払う、ということは決めていないから、すぐには払いませんよ」ということにもなりかねません。

また、たとえ細かい部分まで決めていても、忘れてしまったり、勘違いしてしまったり、ということも起こりえます。

さらに、相手が言っていないことを言ったと勝手に思い込んだり、相手の言ったことを自分に都合の良いように受け止めたりしてしまい、後で「あの時ああ言った」「そんなことは言っていない」といったトラブルになる可能性もあります。

そのようなことが起きないようにするためにも、合意した内容を書面の形にして、決めた内容に間違いがないか、お互いにきちんと確認する必要があると言えます。

(4) 将来のトラブルの防止

話し合いで決めた内容を書面の形に残しておけば、後になって「言った」「言わない」の争いが生じることを防ぐことができますし、後でご説明する連絡・接触禁止条項や清算条項などの条項を示談書に盛り込むことで、将来またトラブルが発生しないように備えることができます。

当該不倫に関する問題をきちんと解決し、将来のトラブルを防ぐためには、示談書は絶対に作成しておくべきと言えます。

3.示談書にはどういった内容を盛り込むのがよい?

では、示談書にはどのような内容を盛り込んだらよいのでしょうか

基本的には、当事者間の話し合いで決めた内容を文章にして盛り込むことになりますが、必ず盛り込んでおくべき内容、具体的な事案に応じて盛り込んでおいた方がよい内容があります。

以下では、示談書に盛り込むべき内容の主なものをご紹介いたします。

なお、以下でご紹介する条項例では、慰謝料を請求した人を「甲」、慰謝料請求された人(不倫相手)を「乙」、甲の配偶者を「丙」としてあります。

①不倫(不貞行為)の事実及びそれを認めていること

誰と誰が不貞行為をしたのか、それによって誰が損害を被ったのか、不倫の期間や場所などを具体的に記載します。

【記載例】
「乙は、甲に対し、丙との間で平成○○年○月頃乃至同年○月頃複数回の不貞行為を行い、これによって甲の婚姻共同生活の平和を維持する権利を侵害し、甲に対して精神的苦痛を与えたことを認める。」

②不倫慰謝料の支払に関する事項

不倫慰謝料の支払義務、金額、支払時期(いつまでに支払うのか)、支払方法(一括払いor分割払い、分割払いの場合の1回の金額、振込みor現金手渡し)などにつき、具体的に記載します。

【記載例】
「乙は、甲に対し、本件不貞行為による損害賠償債務として、金○○万円の支払義務のあることを認め、これを平成○○年○月末日限り、甲の指定する下記金融機関の口座へ振り込む方法により支払う。振込手数料は、乙の負担とする。」

③不倫関係の解消と連絡・接触禁止について

今後不倫関係が継続しないように、不倫をした配偶者と不倫相手が不倫関係を完全に解消し、二度と連絡を取ったり接触したりしないことを約束する内容を記載します。可能であれば、約束を破った場合には違約金を支払うという内容も盛り込めると、請求側に有利となります。

【記載例】
「乙は、甲に対し、今後丙との交際をやめ、合理的理由なく丙に連絡しないことを約束する。約束に違反したときは、乙は、違約金として1回あたり金○○万円を甲に対し支払うものとする。」

④守秘義務、口外禁止について

不倫があったことやそれに関し示談をしたことが他人に知られると、余計なトラブルが生じかねません。そこで、当該不倫に関する事実や、示談をした事実、示談書の内容などにつき、第三者にみだりに口外しないよう約束することを記載します。

【記載例】
「甲と乙は、本件に関し、相互に、インターネットへの書き込み・書面掲載・口頭による情報の流布・架電・電子メール等その他方法の如何を問わず、本件に関する情報を第三者に対しみだりに公開しないことを約束する。」

⑤求償権放棄について

当事者間で慰謝料を支払う側が求償権を放棄することにつき合意できた場合は、求償権放棄について盛り込みます。

【記載例】
「乙は、甲に対し、第〇条の債務について、丙に対して丙の負担分に応ずる求償権そのほか本件に関し名目を問わず、一切の金銭を請求しないことを約束する。」

⑥清算条項

紛争の蒸し返しを防ぐため、示談をした当事者間においては、示談書に記載されている事項以外には何らの権利や義務が存在していないこと、つまり、示談書で約束したこと以外にお互いに何も請求できないことを確認したことを記載します。

【記載例】
「甲と乙は、本件に関し、本合意書に定めるもののほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する。」

4.まとめ

不倫慰謝料問題の解決にあたり示談書に盛り込むとよい内容の大体のイメージは掴んでいただけましたでしょうか。

示談書の作成は当事者ご本人様でも可能ですが、具体的な事案に即して、どういった内容をどう言った表現で条項として入れ込むかは、そう簡単ではありません。

法的に問題のない確実な内容の示談書を作成するには、やはり弁護士にご依頼いただくことをおすすめいたします。

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