慰謝料

不倫で裁判!?慰謝料請求された場合の裁判の流れ

不倫で裁判!慰謝料請求された場合の裁判の流れ

不倫していると、不倫相手の夫や妻から「内容証明郵便」による慰謝料の請求書が届きます。
慰謝料についての話合いをしても、意見が合わずに決裂してしまったら相手から慰謝料請求の裁判を起こされてしまう可能性が高まります。

不倫で裁判になったら、どのような流れで手続きが進むのでしょうか?
また、給料などを差し押さえられる可能性はあるのでしょうか?

今回は、慰謝料の請求書が届いた(請求された)場合を例に、不倫の裁判の流れや判決の内容、支払いをしなかったらどうなるのかなど、必要な知識を中心に解説します。

1.不倫の裁判とは

不倫が発覚した場合、配偶者は不倫相手を交えて話合いの場を設けます。
話し合いの中で、相手が過大な慰謝料を請求してきた場合や、こちらに支払能力がない場合などには、折り合いがつかない可能性があります。
すると、話合いが決裂して、相手が慰謝料請求訴訟を起こしてきます。

不倫の裁判は、この慰謝料請求訴訟という民事裁判です。

慰謝料請求訴訟によって争われるのは、相手のあなたに対する慰謝料請求権の存否と内容、つまりいくらの慰謝料を支払うべきかという問題です。

民事裁判なので決まるのは金銭の支払いについての問題だけであり、刑事裁判のように罰金や懲役刑などの刑罰を科されることはありません。
また強制的に相手へ謝罪させられることもありません。

ただし、民事裁判の判決にも強制執行力があるので、決まった支払をしないと、財産や給料などを差し押さえられてしまう可能性はあります。

2.不倫の裁判をされるタイミング

相手の配偶者から送られてきた内容証明郵便の請求書には「〇〇日以内に支払をしないと、訴訟を起こす」と書かれているケースが多いです。これを見ると、「すぐにでも裁判をされるかも」と考える方がおられますが、内容証明郵便が届いてからどのくらいで裁判を起こされるのでしょうか?

(1) まずは話合いをして、決裂したら裁判される

内容証明郵便による慰謝料の請求書が送られてきても、いきなり訴訟を起こされるわけではありません。相手にしても、裁判をするより話し合いで解決できた方が労力も費用もかからないからです。

まずは慰謝料の支払方法についての話し合いを行い、慰謝料の金額や支払方法について和解を試みます。

どうしても折り合いがつかない場合に初めて、相手が慰謝料を回収するために裁判を起こしてきます。

内容証明郵便が届いてから話合いが行われてから決裂して裁判を起こされるまでの期間は、早くて1か月、遅い場合には3か月以上後になることもあります。

内容証明郵便が届いても、きちんと対応すれば裁判を避けられる可能性は充分にあります。

(2) 内容証明郵便を送られてすぐに裁判になるケース

一方、内容証明郵便が届いて、すぐに裁判されるケースもあります。
それは請求を無視した場合です。

例えば内容証明郵便で請求された慰謝料の金額が高額な場合や、支払能力がない場合などには、話合いを諦めてしまって相手に連絡を入れずに放置する方がいます。
しかし、相手は請求したのに無視されると、支払いの意思がないと捉え、裁判するしかないと考えます。

不倫慰謝料請求の内容証明郵便には「〇〇日以内に入金をするように。意見などがある場合には、期間内に連絡をするように」と書かれているのが一般的です。
裁判を避けたいのであれば、たとえ支払えなくても「支払えない」と期間内に請求者に連絡を入れるべきです。

本当に支払いができない場合には、話合いによって慰謝料を大幅に減額してもらえたり、長期の分割払いにさせてもらえたりすることも多いので、誠実に対応しましょう。

3.不倫の裁判の流れ

以下では、不倫の裁判の流れをご説明します。

(1) 訴状が届く

裁判を起こされると、まずは裁判所から「訴状」と「口頭弁論期日への呼出状」が届きます。

訴状は裁判の申立書です。
相手が慰謝料を請求することや、慰謝料の請求原因(つまり不倫の事実)が書かれていて、通常不倫の証拠もつけられています。

また、同時に口頭弁論期日への呼出状も届きます。

裁判の期日には原則として、当事者双方が裁判所に行かねばなりません。ただし、被告は答弁書を事前に提出しておけば、1回目の期日には行かなくてもかまいません。

裁判所からの郵便には、答弁書催告状も入っています。答弁書というのは、原告(訴えた人。つまり不倫相手の配偶者)の訴状に対する反論書面です。

答弁書催告状には提出期限も書かれているので、その日までに反論を作成して裁判所に提出しましょう。また、答弁書における反論内容を補強する証拠があれば、一緒に提出します。

「訴状」と「口頭弁論期日呼出状」「答弁書催告状」は、「特別送達」という郵便によって届きます。特別送達は、ポスト投函されず、郵便局員から手渡しされるタイプの郵便であり、郵便局員からも「特別送達です」と言われるのですぐにわかります。

不在の場合には不在票がポストに投函されるので、必ず再配達の依頼をして受け取りましょう。

(2) 第1回期日

第1回期日には、原告が提出した訴状と被告の提出した答弁書、それぞれが提出した証拠の取り調べが行われます。
答弁書を事前に提出している場合、被告は出席する必要はありませんが、出席してもかまいません。

弁護士に裁判を依頼した場合には弁護士のみ出廷すれば足り、本人が出廷する必要はありません。
第1回の期日自体はあっさりとした手続きで、次の予定を決めて5~10分程度で終わるのが通例です。

(3) 第2回期日以降の争点整理

第2回期日以降は、原告と被告がそれぞれ主張と立証を行い、争点の整理を進めていきます。

例えば、不倫の事実の有無や不倫の態様、原告ら夫婦の婚姻関係が破綻したかどうか、原告が不倫によって受けた精神的苦痛の大きさなどが争われやすいです。

原告の主張が不正確な場合や、被告が必要以上に悪者に仕立て上げられている場合などには、的確に反論を行う必要があります。

(4) 和解の勧告

争点整理を進める際、裁判官から和解の勧告が行われることがとても多いです。

和解の勧告とは、裁判官が原告と被告双方に対し「話し合いによって解決してはいかがですか?」と勧めることです。

和解の勧告を受けても話合いをしないことも可能ですが、話合いができれば裁判を早く終わらせることができますし、お互いが納得して終結できるので、メリットが大きいです。
勧告があったら、1度は話合いの席に着いた方が良いでしょう。

和解の交渉が行われるときには、裁判官が間に入って進めてくれるので、原告と直接話し合う必要はありません。

また、裁判官がある程度判断を決めていれば、原告と被告にある程度開示して「判決になったら〇〇になるので、和解した方がよいのでは?」と説得します。

すると、お互いに落ち着きどころがわかるので、和解が成立しやすいです。

和解ができれば裁判は終結し、裁判所で和解調書が作成されて当事者の双方に送られてきます。

その後は和解内容に従って慰謝料の支払いをすれば、給与等を差し押さえられずに済みます。

(5) 尋問

和解ができなかった場合には、当事者や証人の尋問が行われます。

不倫の裁判の場合、尋問対象は原告、被告、原告の配偶者などです。
不倫は、被告と不倫相手の二人が行ったものなので、具体的な態様などを明らかにするためには、原告と被告だけでは足りず、原告の配偶者を尋問することが不可欠です。

このとき、原告の配偶者がどちらの側につくかにより、裁判の行方が大きく変わってきます。

夫婦が離婚する場合には、原告の配偶者があなた(被告)の味方になるので尋問で有利になりやすいですが、夫婦が関係を修復する場合には原告に味方するので、あなたの立場が不利になりがちです。

(6) 判決

尋問が終わると最終の弁論期日が入り、その後1カ月ほどで判決が下されます。

民事の判決には、当事者が出頭する必要はありません。

裁判所から弁護士宛に判決書が送られてくるので、受け取り次第、弁護士から依頼者に連絡を入れます。

判決内容を検討して、控訴をするなら控訴手続を行い、判決を受け入れるならそのまま何もせず、原告に対して命じられた支払いを行います。

4.不倫裁判の判決で決まる内容

不倫の慰謝料裁判で判決が出たときには、以下のようなことが決まります。

(1) 慰謝料の支払い義務

まず被告に慰謝料の支払い義務があるかどうかが決まります。

原告の立証が不十分であれば、不倫の事実が認定されずに請求が棄却されて、慰謝料の支払い命令が出ない可能性もあります。

立証できていれば慰謝料の支払い命令が下されます。

(2) 慰謝料の金額

慰謝料の支払命令が出る場合には、慰謝料の金額も決定されます。
慰謝料の金額は、ケースによって異なりますが、50万円~300万円程度となることが多いです。

(3) 遅延損害金

判決で慰謝料の支払い命令が出る場合には、遅延損害金も決定されます。

遅延損害金は、基本的に原告が精神的苦痛を受けた日、つまり不貞関係を知ったときから(東京地裁平成15年8月29日 平成13年(ワ)第27193号)あるいは請求時から発生します。

慰謝料の金額に対し、支払を終えるまで年率5%で加算され続けます。

(4) 訴訟費用

訴訟費用は、主に訴訟の印紙代です。
判決によって、原告と被告の各負担割合が決まります。

原告は提訴の際に印紙を購入して全額支払っているので、被告の負担分については判決後に清算しなければなりません。

以上のように、不倫の裁判で判決が出た場合、慰謝料の元本と遅延損害金、印紙代の被告負担分を支払う必要があります。

5.不倫裁判の「判決」の効力

不倫裁判の判決には「強制執行力」が認められます。
強制執行力とは、判決内容に従わない場合に、強制的に従わせる効力です。

そこで、不倫の裁判で慰謝料支払い命令が出た後に支払をしないで放置しておくと、相手から財産や債権などの差し押さえを受けます。

差し押さえでは、あらゆる価値のあるものが対象となります。預貯金や不動産、車、給料や退職金、生命保険なども対象です。支払い命令が出た場合には早期に慰謝料の支払を終えることが大切です。

6.不倫で慰謝料請求された場合の対処方法

では、不倫がバレて慰謝料請求されたとき、どのように対応したら慰謝料の支払を少なく済ませられるのでしょうか?

まずは、慰謝料の減額要素がないか検討することです。

例えば、以下のような事情があると、不倫の慰謝料は低額になります。

① 相手夫婦が離婚・別居しなかった
② 相手夫婦の婚姻期間が短い
③ 不倫の態様が悪質でない
④ 不倫の期間が短い
⑤ 相手夫婦に未成年の子どもがいない
⑥ 不倫によって相手の家族生活に大きな影響が出ていない

なるべく多くの事情を拾い出しましょう。

 

次に、それぞれの事実について「証拠」を集めます。

その上で相手と交渉して、裁判前に慰謝料を減額させて合意ができれば、裁判をされないので手間も時間も費用もかかりません。

ただ、有利な証拠を集めると言っても何を集めたら良いのかわからなかったり、自分で不倫相手の配偶者と交渉することが難しかったりするケースもあります。

その場合には、弁護士に対応を相談しましょう。

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