不倫(不貞行為)

夫が職場で不倫!妻はどのように対応すればよいか

最近夫(旦那)の行動が怪しいと思っていたら「会社の女と職場で不倫をしていた!」というケースは、残念ながらよくある話のようです。

特に職場では、チームで行動する機会が多いため一緒に過ごす時間が長いこと、先輩・後輩という立場の関係性などから、恋愛関係も生まれやすいと言われており、既婚者が不倫に走ってしまうケースがあるようです。

妻としては夫の不倫を見過ごすわけにはいきませんが、特に社内不倫の場合、不倫慰謝料の請求に際してはうまく立ち回る必要もあります。
今回は、夫の職場不倫が発覚した場合の正しい対処方法を解説します。

1.職場不倫を確信したときにとるべき行動

まず、夫(旦那)の職場不倫を確信したら、無闇に問い詰める前に次の行動を取ることを考えてください。

(1) 証拠を集める

不倫は判例上「不貞行為」と定義されます。

不貞行為は円満な婚姻生活を侵害する行為ですので、不法行為に当たります。
不法行為により損害を受けた人は損害賠償請求をすることが可能です(民法709条、710条)。

しかし、不倫慰謝料の請求が認められるためには証拠が必要となります。そのため、不倫が発覚したら夫を問い詰める前に証拠を集めましょう。

「夫を問い詰める前に」というのがポイントです。
「浮気がばれたかもしれない」と考えると、通常は事実が明らかにならないようにするため、証拠を消そうと不倫相手の電話番号や写真などを消すことがあります。これを防ぐためにも先手を打って証拠をつかんでおきましょう。

証拠としては、肉体関係を持ったこと(性交渉があること)を直接示す証拠が良いとされていますが、その他の仲が良さそうな写真なども複数あれば間接的な証拠にはなるため、できるだけ多くの証拠を集めることが重要です。

  • 写真
  • 動画
  • レシート
  • 日記
  • メッセージやメールのやり取り
  • 浮気相手の氏名、連絡先

上記のような、浮気相手と関係あるものは全てデータとして押さえておくと良いでしょう。

何が証拠になる?不倫の証拠の種類と集め方

[参考記事]

不倫の証拠集め|難しい不貞行為の立証のために重要なこと

(2) 慰謝料請求するか・離婚するかを判断する

証拠を集めたら、今後のことを一人で考えてみることが必要です。
最終的な決断をするのはあなた自身ですが、証拠を集めたならば夫と話し合ってその態度を見ることも一案でしょう。

具体的には、次の2点を検討すべきです。

  • 浮気相手に慰謝料請求をするかどうか
  • 夫と離婚するかどうか

不倫されたのならば、夫と浮気相手に慰謝料を請求することができます。傷ついた心を癒すためだけでなく、気持ちに区切りをつけるためにも、損害賠償請求をするかどうかを考えてみてください。

また、夫と離婚するかどうかも一緒に考えましょう。

離婚しない場合には、配偶者に慰謝料請求をするのは現実的ではありませんので、浮気相手のみに慰謝料請求をするかどうかを考えます。
離婚する場合は、今後の生活のためにも配偶者と浮気相手に慰謝料請求することをおすすめします。

ちなみに、両方に請求したからといって、金額が二倍になるわけではありません。

浮気相手と不倫した配偶者は法律上共同不法行為者となります。それぞれが独立して被害者である不倫された配偶者に全額の責任を負いますが、内部関係において求償関係が発生することになります。

つまり、例えば浮気相手に全額請求したら、浮気相手は夫に対して「半額を支払え」と言える関係にあるのです。

2.職場不倫発覚後の注意点

職場不倫が発覚すると、不倫された配偶者は怒りのあまり思い切った行動に出てしまいがちです。

しかし、これは後々問題になることもあるため、注意すべきポイントがいくつかあります。

(1) 会社に不倫相手の解雇を求めない

「会社から不倫相手を解雇してもらうことはできますか?」という質問を時々お受けします。

配偶者の職場不倫が発覚した場合に、「会社に不倫を伝えて相手を解雇してもらおう」と考える方は多いです。

しかし、これを会社に伝えたところで、会社は不倫相手を解雇することはできません。会社が従業員を解雇できるのは解雇に客観的かつ合理的理由があり、解雇の相当性がある場合のみです。

不倫に関しては、一般的には倫理に反するとして責められるべき行為ですが、業務とは関係ない行為ですので解雇理由にはならないのです。

ただし、部署の異動なら可能性はあります。
職場での不倫が発覚した場合に、会社としてもそのまま放置しておくのは好ましくないと判断するところが多いようです。この場合、会社の判断でどちらかを異動させることならあり得るでしょう。

また、任意の退職を促されるケースはあるかもしれません。

しかし、これらは会社の判断ですので、配偶者から強要することができるわけではありません。

(2) 会社には不倫を言いふらさない

「解雇ができないにしても、会社は不倫を知るべき。会社に相談しよう」……浮気された配偶者は、このように考えてしまいがちです。

しかし、これもやってはいけないNG行為です。

会社に報告したところで、痛い目に遭うのは既婚者であるあなたの配偶者も同じです。会社で居心地が悪くなり、会社を自ら辞めてしまうかもしれません。
そうすると、転職先を探さなくてはいけなくなり、困るのは家庭です。

不倫は、職場で行われても、あくまでプライベートな事柄であると捉えるようにしましょう。

また勝手に会社の人に不倫について話してしまうと、浮気相手から名誉毀損やプライバシー侵害だとして訴えられてしまう可能性もあります。
慰謝料を請求するつもりだったのに、逆に請求されてしまう可能性も出てくるのです。

[参考記事]

不倫を言いふらす・バラしたら名誉毀損罪や侮辱罪は成立するか

(3) 浮気相手に「会社を辞めて」と言うのは可能?

配偶者と離婚しない場合、夫が「もう二度と浮気はしない」と言っても、また不倫が再燃する可能性は否定できません。
同じ部署の職場にいれば普通に接する機会もありますので、妻が不安に思うのは当然のことです。

この場合、示談交渉の際に「会社を辞職することを希望しています」と伝えること自体は、特に問題はありません
もちろん、これを強制することはできませんが、浮気相手も不倫が発覚すると居心地が悪くなってしまうため、「会社は止めるつもりです」という方は多くいらっしゃいます。

ただし、当事者同士で話し合うと、「あなたは会社を辞めるべき」「今すぐやめろ」「辞めないと不倫を会社にバラす」など、強い口調で喧嘩腰に言ってしまう可能性があります。

万が一「会社にバラす」などと言ってしまうと、脅迫罪や強要罪に問われてしまう可能性もあります。できれば弁護士を通して示談交渉をすることをおすすめします。

不倫を許せないと考えるのは当然です。しかし、感情的な判断をしてしまうと、あなたにとってマイナスに働くことをどうか忘れないようにしてください。

3.夫が職場で不倫した場合の正しい対応方法

最後に、職場不倫が発覚した場合の正しい対応方法をお伝えします。

(1) 弁護士に依頼する

自分で、あるいは探偵を雇ってある程度の証拠を集めることができたら、弁護士にご相談ください。

ご自身で不倫相手と慰謝料の交渉をしようと考える人も多いですが、これは上手くいかず以下のような余計なトラブルを招くことが多いです。

  • 話し合いで喧嘩になる
  • 慰謝料を支払うと言ったのに、行動を起こさない
  • 逆に相手から慰謝料を請求された
  • 脅迫だとして警察に通報された

不倫事件はどうしても感情がもつれがちです。そのため、思ってもいない行動をとってしまう方は少なくありません。

冷静に話し合いや慰謝料の交渉を進めるためにも、弁護士を介して話し合いましょう。

弁護士を介して示談交渉を進めていけば、余計な精神的負担を背負わずに済みます。慰謝料を請求したいなら、専門家に任せるのが一番です。

[参考記事]

不倫・不貞行為に強い弁護士の選び方

(2) 示談交渉で誓約書も作成する

離婚を望まない場合は、「浮気相手と二度と会ってほしくない」と考えるでしょう。
この場合は、示談の際に、「二度と連絡を取らない」旨の誓約書に同意してもらうことも可能です。

職場不倫の場合は、相手を辞めさせることもできず、同じ職場で働くことを我慢しなければならないというストレスが配偶者にかかってしまいます。この負担を少しでも軽くするために誓約書に同意してもらうのです。

内容としては、以下のようなものです。

  • 二度と2人きりでは会わない
  • 業務上必要な場合以外に連絡を取らない
  • 仮に、仕事と関係なく連絡を取った場合には、慰謝料を請求する

同じ職場で働いているのですから、「二度と会わない」は無理だとしても、2人きりで会うことを禁じることは可能です。誓約書まで交わせば、多くの方はこれを守るでしょう。

仮に破られても、新たに慰謝料などを請求することができます。

[参考記事]

接触禁止条項に違反するとどうなる?違約金の相場はある?

4.不倫発覚後の対応を間違えないためにも弁護士へ相談を

「不倫発覚後の対応を間違えてしまい、思ったよりも慰謝料を受け取れなかった」という事例は意外とあるようです。

不倫が発覚した後に、被害者としてもきちんとした対応が取れるかどうかで、慰謝料額が変わってくる可能性があります。

不倫慰謝料問題に直面している場合は、ぜひ専門家である弁護士に相談してください。
泉総合法律事務所の初回相談は無料となっているので、まずはお気兼ねなくご相談いただければと思います。

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