不倫(不貞行為)

産後に不倫をしてしまった…。慰謝料請求された夫の対処方法

産後に不倫をしてしまった…。慰謝料請求された夫の対処方法

皆さんは、「産後クライシス」という言葉をご存知ですか?
出産後2、3年の間に夫婦関係が悪化してしまう現象のことを指します。

実は、出産後の大変な時期に夫婦仲が悪化し、「不倫に走ってしまう夫」という構図はよくあることなのです。

逃げ道としての不倫も、妻にバレてしまうと当然惨状となり、最悪の場合は慰謝料請求や離婚という結果にも結びついてしまいます。

今回は、産後に不倫してしまった場合に何が起きるか、産後不倫で知っておくべきこと、不倫慰謝料請求の対処法についてご説明します。

1.不倫が発覚した場合の代償

(1) 不法行為に基づく損害賠償請求

不倫は、一旦配偶者である妻にバレてしまうと、妻からあなた、あるいは不倫相手に対し慰謝料を請求することが可能となります。

法律上、不倫の慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償請求(709条)として行うことになります。そのため、故意または過失によって相手に損害を発生させたことが必要となります。

既婚者が配偶者以外の異性と肉体関係をもつ不倫行為は、不貞行為として民法上の貞操義務に反します。そして、不貞行為をした配偶者には当然「故意」がありますし,不倫相手も相手が既婚者と知っていれば「故意」が,知らなかったとしても知ることができたのであれば「過失」があるといえます。
したがって、既婚者が不貞行為を行えば「故意または過失によって夫婦関係を毀損するという損害を与えた」ことになり、不倫をした配偶者に損害賠償請求ができますし、不倫相手にも「故意または過失」があれば損害賠償が可能となるのです。

離婚をする場合はもちろん、離婚しない場合でも、不貞行為自体によって夫婦関係が傷つけられたことには変わりないため、請求が可能となります。

(2) 離婚の危機

不倫がバレると、損害賠償を請求されるだけでは終わりません。皆さんもご存知の通り、離婚の危機が訪れます。

法律上の観点からみてみると、不貞は法定離婚事由として770条1項1号条に規定されています。仮に、夫が「離婚したくない」と考えていたとしても、調停を経て、裁判離婚で離婚が認められる可能性が高くなるということです。

また、「この時期に妻も離婚は考えていないはず」と思うかもしれません。
しかし、異性問題による離婚は今でも離婚理由トップ3に入る内容です。産後の大変な時期ということもあり、妻の精神的なショックも大きく、離婚を決断する可能性は小さくないといえます。

このように、妻はいつでも離婚でき、慰謝料を請求することが可能になるのです。
不倫関係がバレてしまうと、夫婦関係に大きな打撃を与えることになります。

2.産後不倫で生じる影響の注意点

(1) 不倫慰謝料額が高額

産後の不倫の慰謝料は高額になる可能性が高いです。

慰謝料の額は、「不倫でいくら」というように、絶対的な数値できまっているわけではありません。さまざまな要素を考慮した上で、実際の額が決まります。

相場としては、50万円〜300万円程度が一般的と言われています。
金額差が大きくなっていますが、これは不倫の期間、回数、離婚したかどうか、婚姻期間の長さ、子供の有無、支払者の経済状況などを総合的に考慮し判断するためです。

具体的に、高額になる事情としては、以下のようなものがあります。

  1. 婚姻期間・不貞行為の期間が長い
  2. 不倫が離婚の決定的理由となった
  3. 夫婦関係は不倫前まで良好だった
  4. 何度も不倫を繰り返している
  5. 小さな子どもがいる

逆に、減額される傾向にあるのは以下のような場合です。

  1. 一度だけの不倫で継続した関係でない
  2. 不倫前に別居に至った
  3. 夫婦仲がもともと悪かった
  4. 支払者の経済状況が悪い

産後の不倫が原因で離婚という決断に至った場合には、子供がいる・離婚に至ったという点が、慰謝料増額に影響することになります。

もっとも、慰謝料額は個々のケースによるため、実際の金額を知りたい方は、弁護士にご相談いただくのが近道です。

(2) 離婚の可能性も大きい

冒頭でお伝えした通り、産後クライシスと名前がつくほど、産後の夫婦関係の悪化は離婚につながりやすいといわれています。
というのも、産後は女性の人生が一変し、幸せな気持ちだけでなく、不安も大きくなる時期です。

妻としては、一番支えてほしい時期に夫が浮気したという事実は心に重くのしかかります。

  • 不倫行為自体のショックが大きいこと
  • 産後のストレスが大きい時期であること
  • 子供のことを考え、離婚するなら早めに考える可能性もある

このような理由から、離婚を決断する方も少なくありません。

もちろん、小さなお子さんを育てていかなければいけないため、「一度の不倫なら許そう」と考える可能性も高いです。しかし、相当夫婦関係に気を配らなければ、婚姻生活の終焉を迎える日は近くなるでしょう。

何度も浮気や不倫を重ねていて、それがバレているという状況なら、産後の不倫を機に新しい人生を踏み出そうとする女性も少なくないのです。

このように、産後に夫が不倫をした場合、妻の信頼を大きく裏切る形となってしまうため、離婚につながりやすくなります。
「子どもができたばかりなので、妻も離婚は考えていないはず」などとは考えないようにしましょう。

(3) 子供に大きな影響を与える

仮に離婚をしても、子どもとの関係は良好に保っていきたいと考える方は多いでしょう。できる限り会って、父親としての関係を育んでいきたいはずです。
しかし、産後不倫で離婚するとなると、男性側の子どもに関わる権利は弱い立場になります。

まず、親権についてです。親権とは、言葉の通り親として子どもに関わる権利の1つであり、保護・監督義務や財産上・教育上の権利・義務のことを指します。

親権に関しては、離婚の際に親のどちらかに指定することになりますが、産後不倫の場合は母親に親権が与えられる可能性が高いでしょう。
もちろん、子どもに会うために面会交流権を設定することができますが、「子どもにとって悪影響」と判断されれば、面会が認められないケースもあります。

つまり、子どもに会う機会も減り、関わる機会も少なくなってしまう可能性があるということです。

不倫した側は不利?不倫して慰謝料請求後、離婚した場合の親権の行方

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また、子供が生まれたばかりの場合は、父親の顔をしっかりと覚える前に、顔をあわせる機会が減ってしまうことになります。つまり、親子の関係を築きにくくなるということです。
夫婦それぞれが若ければ再婚の可能性も高く、この場合、離婚後の子どもとの関係は希薄になるケースも多いのが現状です。

このように、産後の不倫で離婚してしまう場合は、子どもにも大きな影響を与えます。まだ離婚に至っていない場合は、早めに対応を行い、関係修復を図ることが大切です。
最大限の反省の意を見せ、誠意を持った対応をしましょう。

3.不倫慰謝料請求された場合の対処法

最後に、不倫慰謝料を実際に請求された場合に、どのような対応をとるべきかについてご説明します。

(1) 夫婦でじっくり話し合う

不倫バレると、妻から「慰謝料を請求してやる!」と言われてしまうケースは少なくありません。
産後すぐの不倫となると、怒りで頭の中がいっぱいになり、女性がそのような気持ちになるのも当然です。ここで喧嘩になり、そのまま本当に慰謝料を請求されてしまうというケースもあります。

必要なことは、お互い冷静になりしっかりと話し合うことです。

慰謝料請求を受けたくないなら、真摯に反省し謝罪しましょう。そして、妻の話に耳を傾けるようにしてください。

離婚などの夫婦の危機を迎える夫婦に一番多いのは、コミュニケーションの不足です。相手の話にしっかりと耳を傾けず、向き合わなかった結果離婚に至るケースは非常に多いといえます。これは慰謝料請求に関しても同じです。

しっかりと話し合い、今後のことなどを一緒に冷静に話し合えば、慰謝料に関する問題も穏便に解決できる可能性は高くなります。

仮に離婚を決めていたとしても、きちんと話し合いを行うことで、無茶な金額を請求されることはなくなります。

あなたが子どもの父親であることは変わりないため、これからも支えていく立場として冷静に話し合いを行ってください。

(2) 慰謝料交渉のポイント

それでも、実際に損害賠償を支払うことになった場合、以下のことに注意して話し合いを進めましょう。

①言い値で妥協しない

妻に言われる額を、言われるがまま支払うと言ってしまう方は意外と多いです。早く話し合いを終わらせたい、妻に申し訳ないという気持ちから、OKを出してしまうのかもしれません。

しかし、実際に支払える額でないと、相手にも余計な迷惑を与えてしまうことになります。また、実際の相場とかけ離れた額を支払わなければいけなくなるかもしれません。

慰謝料額の交渉では、適正な慰謝料額かどうかを見極めて、支払える額で双方納得するのが大切です。

②安易にサインしない

妻に言われるがまま、なんらかの書類にサインしてしまう方もいらっしゃいます。

なんとか丸く収めたい気持ちからやってしまいがちなミスですが、書類には安易にサインしないようにしましょう。

特に慰謝料など、金銭に関わる内容が記入されている場合は、後日トラブルになりやすいといえます。
内容を確認して、納得できないのであればサインせず、交渉を続けるようにしてください。

③時間をおいて話し合う

慰謝料の話が出てきて、その日に夫婦間で解決してしまうということもあるでしょう。

しかし、慰謝料支払いについて十分話し合わずすぐに合意してしまうと「言った・言わない」の後日トラブルにつながります。
妥協して一日で話し合いを終わらせるより、時間をおいてじっくり話し合う方法を選択してください。

早急にサインしてしまうと、後で大変なことになってしまう可能性も高いです。迷ったら時間を置く、解決できない場合は弁護士に相談するというのが鉄則です。

4.慰謝料が高い!と感じたら弁護士にご相談を

不倫で慰謝料請求を受けることには納得したものの、「金額を見てびっくりした!」という方は意外と多いものです。

慰謝料は、上限がなくお互いが納得した金額で定まってしまうため、「払えない」と感じたらしっかりと減額交渉することが大切です。

ご自身で減額交渉をすることもできますが、当事者同士の話し合いは進まないことも多く、新たなトラブルの原因となるともいわれています。

減額交渉でお困りの場合や、適正な額を知りたいとお考えの場合は、専門家である弁護士にご相談ください。第三者が間に入ることで、スムーズに慰謝料交渉が進みます。
不倫慰謝料でお悩みの方は、泉総合法律事務所にお早めにご相談ください。

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