不倫(不貞行為)

不貞行為の相手の会社へ不倫報告・職場に乗り込むとどうなる?

旦那の浮気が発覚した場合、旦那に対する怒りもそうですが、浮気相手をどうしても許せないという感情に悩まされることがあります。
何とか自分の中でやり過ごそうと思っても、どうにもできない場合、考えるのが浮気相手への「仕返し」でしょう。

「浮気相手の職場に不貞行為をバラそう」と考える人は多いですが、これは絶対にやってはいけません。
場合によっては、相手から逆に損害賠償を請求される可能性があるからです。

今回は、浮気相手への仕返しとして会社にバラすことの違法性をご説明します。

1.慰謝料以外での不倫相手への復讐

不倫相手が許せないのは、配偶者の不倫を経験した方が避けられない感情です。

しかし、「浮気相手を傷つけたい」という気持ちが募っていくと、普段では考えられない行動に出てしまうことがあります。

例えば、以下のような行動です。

  • 不倫相手の職場に不倫をバラす
  • 相手の職場に「(氏名)は浮気女」など、職場等に嫌がらせの電話をする
  • 「慰謝料を支払わないと危害を加える」などの脅迫をする
  • 本人に殴る、蹴るなどの暴行を加える

怒りに感情が流されているときは、上記のような行動による被害は「当然の報いだ」と考えてしまいます。
しかし、このような行動を起こすと、相手や被害にあった職場などに通報され、脅迫罪や恐喝罪、暴行罪・傷害罪などで逮捕されてしまう可能性もあります。

不倫慰謝料請求をしようと思っていたのに、逆に損害賠償請求をされてしまうなどの事態も十分に考えられるのです。

このように、不倫相手への仕返しは、無用な事件を巻き起こしてしまう可能性もあるため、違法な仕返しは絶対にしてはいけません。余計にご自身が傷つく結果となってしまいます。

2.不倫相手の会社への報告について

「不倫相手の不貞行為を会社に報告する」というのは仕返しの定番のように良くある行動です。これはどのような罪になりうるのでしょうか。

(1) 名誉毀損罪になる可能性

刑法230条は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」を処罰することを規定します。
仮に、この刑罰に処される場合は、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」が課される可能性があります。

名誉毀損罪は、不特定多数の人に公表していない事実に関する具体的な内容を伝え、人の名誉を貶めた場合に成立します。

不倫相手への復讐の1つに「不貞行為を会社に報告する」というものがありますが、これは会社の人に伝えると複数の人に隠していた不倫の事実を伝えることになるのですから「公然と事実を摘示」したことになります。

また、不倫に関する事実を伝えることは、人の名誉を貶める行為に該当するため、名誉棄損罪が成立する可能性が非常に高いといえます。

会社に伝えた時点で、本人から警察に通報される可能性もあります。また名誉毀損による損害賠償請求をされる可能性もあるでしょう。

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(2) 匿名で報告・電話したらどうなる?

会社に伝えたのが誰かバレないようにするために「匿名で電話する」という方法を考える方もいらっしゃいます。

しかし、仮にバレてしまった場合には、同様に名誉毀損で訴えられてしまう可能性は否定できません。

また、会社に対し嫌がらせの電話を行う人もいます。
例えば以下のような内容です。

  • (氏名)は不倫女!淫乱!
  • (氏名)は、会社の複数の人と不倫している

1つ目の内容の場合、名誉毀損罪は成立しませんが、侮辱罪(刑法231条)が成立する可能性があります。

侮辱罪は事実を摘示しないで公然と人の名誉を貶めるような行為適用されるためです。
「不倫女」や「淫乱」などの中傷的言論は、「バカ」などと同様に抽象的であるためです。

侮辱罪の場合は、「拘留又は科料」に処される可能性と、損害賠償請求を受ける可能性があります。

また、2つ目の内容は、事実と異なることを流布しています(旦那との不倫しか知らない場合)。この場合でも名誉毀損に当たる可能性はあります。

さらに、本人からだけではなく、会社から業務妨害罪で通報されてしまう可能性もあります。

特に、何度も会社に電話して上記のような内容を伝えていた場合には、「威力」または「虚偽の風説を流布」して「人の業務を妨害した」といえる可能性が高いでしょう。

業務妨害罪の場合は、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処される可能性があります。名誉毀損罪、侮辱罪と同様に民事で損害賠償請求を受ける可能性もあるのです。

以上から、匿名でも不倫の事実を会社や周囲に暴露することは、名誉毀損罪、侮辱罪、業務妨害罪にあたりうる行為です。

3.浮気相手の職場に乗り込むことについて

浮気相手の職場に乗り込み、不貞行為の事実への対処を求めることはできるのでしょうか?
電話や郵便物などで不倫をバラすのが違法なら、「会社に行って上司に丁寧に報告したい」という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、どのような形であれ勝手に不倫の事実をバラすと名誉毀損になってしまいます。
会社に乗り込んで、不貞行為を報告するようなことはご自身の利益にもなりませんので控えるべきでしょう。

また、職場で不倫に関する事実を叫んで業務を乱すようなことがあれば、業務妨害罪で警察に通報されてしまうかもしれません。

会社に乗り込んで、極端な行動を起こすようなことは絶対にしないようにしてください。

4.不倫相手に会社を辞めさせる方法は?

不倫相手が旦那の職場の同僚や部下だった場合、「一緒に働いてほしくない」と考えるのは当然です。
この場合、不倫相手を辞めさせることはできるのでしょうか?

まず、不倫相手に強制的に仕事を辞めさせることはできません。不倫はあくまでプライベートの出来事ですので、業務とは関係がなく会社もこれに対し干渉しないとする可能性が高いでしょう。

しかし、個人的な関係が社内トラブルを引き起こしている場合は、会社の判断で解雇や降格、などの措置をとる可能性はあります。

もっとも、あくまで会社の判断ですので、これにあなたが関わることはできないと考えるべきです。

職場で会うことが気になる場合は、示談の際に「二度と個人的に連絡を取らない」などの誓約書を書いてもらうなども可能です。これを破った場合には、「○○万円お支払いいただきます」などの違約条項もつけることができます。

また、あまりお勧めができませんが、話し合いの中で不倫相手に対し「退職をお願いする」という方法もあります。
とはいえ、「職場を辞める・辞めない」に関する話は、「お願い」ベースで、弁護士などの第三者を通して伝えてもらうことが安全です。

示談交渉に関しては、弁護士を通して穏便に解決を図る方が良いでしょう。

5.不倫相手が許せないなら弁護士と慰謝料請求を検討

不倫相手が許せない場合は、合法な形で責任を取らせる方法を考えましょう。

方法としては、慰謝料を請求するのが一番です。それなりの額を支払わなければいけないとわかると、相手も十分に反省するはずです。

「復讐したい」という気持ちが大きい場合、怒りに身を任せて独断で行動を起こす前に、一度弁護士に相談し、一緒に対策を考えてみるのがおすすめです。

不倫慰謝料の請求を考えている方、できる限り有利な条件で示談を成立させたいという方は、一度、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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