不倫(不貞行為)

公務員(警察官、教員、消防士等)の不倫がバレると処分はどうなる?

最近、不倫に対する意見は、一昔前よりもかなり厳しい論調になっています。
特に、国民に奉仕すべき存在であるとされる「公務員」に対しては、不法行為について他よりも厳しい目が向けられることもあります。

しかし、不倫が職場や周囲にバレる前に対策を取ることで、実生活への被害は最小限に抑えることが可能です。

今回は、公務員が不倫をした場合に懲戒処分などは行われるのか、その他の処分の可能性はあるのか、職場に不倫をバレないようにする方法はあるのか等についてご説明します。

1.不倫で解雇されることはあるか

(1) 民間企業

まず、民間企業においては、不貞行為(不倫)で解雇されることはほとんどないといって良いでしょう。

というのも、労働契約法15条では、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において…客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」と定められており、場合によっては解雇した社員から「権利の濫用」として訴えられる可能性があるからです。

基本的に、私生活上の行為は、職務の範囲外にあたるため、これを理由に懲戒処分を言い渡すことは難しいといえます。
もっとも、不倫が社内で行われており、会社の秩序を著しく乱したといえるケースでは、解雇などの処分も考えられます。

(2) 公務員

公務員は、原則として解雇になることがなく、安定した給与から人気の高い職業です。
しかし、国民の税金で費用を賄っているため、何か問題があれば厳しい処分を受けることもあります。

例えば、地方公務員法30条・35条に職務専念義務が規定されています。

第三十条
すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

第三十五条
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

不貞行為がこの指針に反し、職務遂行に対し不適切であると考えられた場合、市役所の職員などは懲戒処分を受ける可能性はあるでしょう。

とは言え、不貞行為に起因する職務専念義務に反した具体的理由を明らかにしない限り、懲戒処分が下されることは考えにくいでしょう。

(3) 警察官

一方、警察官や警察職員の場合は、私生活上に関しても一般的な規則が定められているため、不貞行為が処分の対象となると考えるべきです。

2018年度、警察官・警察職員で懲戒処分を受けた数はなんと257人です(警察庁による発表)。この中でも懲戒理由として最も多かったのは「異性関係」であり、94人と報道されました。

しかし、異性関係の内訳は、盗撮、強制わいせつ、セクハラとなり、不倫や浮気に関する記述はありません。
このような内容から「不倫で懲戒処分を受けることはない」と考えられがちですが、職場内での不倫関係の場合、不倫が発覚すれば処分の可能性はあります。

警察官と警察職員に関する懲戒処分の指針(警察庁「懲戒処分の指針」より)では、「不適切な異性交際等の不健全な生活態度をとること」と記載されています。

(4) 自主退職の可能性

これまでにご説明した通り、不貞行為で懲戒解雇になることはまずありません。これは公務員でも、一般の会社員でも同じです。

もっとも、他の理由で仕事を辞めなければならなくなる可能性はあります。

例えば、自主退職の可能性です。不倫が職場にバレてしまうと、周囲で噂されてしまい、居心地が悪くなってしまうことは容易に想定できます。

また、消防士や教員などの公務員の場合は、メディアで取り上げられると、報道などにより状況的に追い込まれる可能性は否定できません。

さらに、大きく報道されて問題になると信用失墜行為(地方公務員法33条・国家公務員法99条)にあたり、懲戒処分を受ける可能性はあります。
信用失墜行為には、私生活上の行為も含まれるため、不貞行為に関する問題があれば、懲戒処分の可能性はあります。

不貞行為による間接的影響で自主退職に追い込まれてしまうことはあるでしょう。

2.公務員の不倫の処分内容

不貞行為がバレても、クビになる可能性はほとんどありません。しかし、他の処分を受ける可能性はあります。

(1) 懲戒処分の種類

懲戒処分については、地方公務員は第29条、国家公務員は第82条に定めがあります。
法律や条文は異なるものの、内容はほとんど同じです。

具体的には、以下の行為があった場合に懲戒処分が行われます。

  • 法令、条例、規則に違反した場合
  • 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
  • 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合

処分の種類としては、免職、停職、減給、戒告が規定されています。これ以外にも、訓告や厳重注意処分が行われることがあります。

懲戒免職は、一般的にいう解雇を指します。
懲戒停職の場合、職員としての身分を保有することができますが、一定の期間その職務に従事できなくなります。
懲戒減給の場合は、公務員の俸給の支給額が減額されます。
戒告は、本人の将来を戒めるための処分(口頭か文書による警告)です。
訓告・厳重注意は、戒告と同様に口頭での処分となりますが、戒告よりもさらに軽い処分となります。

【懲戒解雇と懲戒免職の違い】
公務員の場合、解雇は「免職」といいます。「懲戒免職」という言葉の方が聞き慣れているかもしれません。
公務員の場合は、公務員試験を受けて公務員になる身分を得ますが、免職処分となればこの地位自体が剥奪されてしまうということになります。 
懲戒処分の中でも、懲戒免職は一番重い処分となるため、よほどの法令違反などがない限り下されることはないでしょう。 
以上から、一般企業で用いられている解雇と免職は、言葉が異なりますが、内容としては同じということです。 

(2) 停職・減給の可能性

警察官と警察職員に関する懲戒処分の指針では、「不適切な異性交際等の不健全な生活態度」があった場合は、訓告処分の可能性があることが明記されています。
そのため、口頭において注意を受けることはあるでしょう。

また、不貞行為に関連する問題で、信用失墜行為や職務専念義務違反が認められれば、免職処分とはならなくとも、減給や停職処分を受ける可能性は否定できません。

もっとも、不貞行為そのものを理由に処分が下るとは考えにくいでしょう。

3.職場に不倫をバレないようにする方法

最後に、職場に不倫がバレないようにするための方法をご説明します。

(1) 不倫は直ちにやめる

まず、不倫が勤め先にばれたくない場合は、今すぐに不倫をやめてください。

不倫関係を続けている限り、バレる可能性は常にあります。どれだけ隠すのが上手だとしても、いつかはバレてしまう可能性があるのです。

また、不倫で失うものの大きさを考えると良いでしょう。

不貞行為で直ちに解雇はないとしても、大々的に報道されてしまう危険もあります。最近では不貞行為に厳しい目が向けられているため、処分が重くなる可能性は否定できません。

そのため、安全策としては今すぐ不倫関係を解消して、不倫相手との関係をきちんと精算する必要があるのです。

(2) 示談書には守秘義務を盛り込む

不倫を続けていた場合は、不倫相手の配偶者や自分の配偶者から損害賠償を請求される可能性があります。
そのため、不倫を精算する際は、示談を成立させることが大切です。

そして、示談書の内容には守秘義務を盛り込むことが大切です。

不倫相手の配偶者や離婚した元配偶者などから、不倫の事実が勤務先に漏れてしまうと、懲戒処分を受ける可能性もあります。
これを回避するために、「不倫の事実は他者に口外しない」という約束をするのです。これに反して周囲に話した場合は、違約金を設定することもできます。

また、不倫相手の配偶者、自己の配偶者が既に勤務先にバラそうとしているなどの脅迫行為等があった場合は、口外禁止についても示談書に盛り込みましょう。

不倫慰謝料を請求する際に示談書に盛り込むべき内容とは?

[参考記事]

不倫慰謝料を請求する際に示談書に盛り込むべき内容とは?

このように、不倫をバレないようにするためには、早々に関係を解消し示談を成立させることが大切です。迅速に対処したい場合は、弁護士に相談しましょう。

4.示談書の作成は、弁護士にお任せください

不貞行為(不倫)で損害賠償を請求されそうな場合は、一度弁護士にご相談ください。不倫慰謝料事件に精通した弁護士が、あなたの利益を守るためにサポートいたします。

勤務先にバレたくない、家族にバレたくないなど、ご事情がある場合はその旨もご相談ください。
また、示談書の作成は、知識とノウハウのある弁護士に任せるのが一番です。

一人で悩まず、弁護士と一緒に問題を解決しましょう。

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